林道暖日山線にチャレンジ

 令和3年10月24日、久しぶりに林道暖日山線にチャレンジすることにした。この林道は、山形県西置賜郡白鷹町大字深山から西村山郡朝日町大字太郎に至るダート路線である。ただ、白鷹町側には林道看板がないので、どこからが林道なのかよく分からない。ちなみに地理院地図によれば、「暖日山」という山が近くにあって「ぬくひやま」と読む。

【林道の白鷹町側入口】 ※中心を動かしてしまった人は、ページを再読み込みすると、もとの中心点に戻ります。

【林道の朝日町側入口】

 前回訪問したのがいつだったのか覚えていないが、2年前か3年前の秋だったと思う。紅葉がきれいだった記憶がある。今年も紅葉の季節が始まりかけているので、久しぶりに訪れることにしたのだ。今回は、白鷹側からアクセスした。

 山形県道164号深山下山線から北側へ入る。

【スタート地点の地図】

県道164号深山下山線。手前が深山(北西)側、右ななめ前が下山(南東)側、左折が暖日山線方面。

 すぐに「通り抜け出来ません 白鷹町」の看板が。「うわー どこまで行けるんだろー」と思いながら、とりあえずは先へ進む。

「全面通行止」でなくて「通り抜け出来ません」というのは、「まあとりあえず進んでいいよ」という意味だ。
路面状況はまだ悪くない。

 もう少し進むと、唐突に「全面通行止 白鷹町」の看板が。これまでの状況と何も変わっていないし、封鎖もされていないので、とりあえずもう少し先へ進むことに。

あまり本気度の高くない通行止め。
山々が色づき始めている。
ススキも生えている。

 災害復旧箇所らしき箇所を発見。鉄板が敷いてあった。

これは振り返って撮影した写真で、奥が白鷹町側入口方面、手前が朝日町側入口方面。
工事箇所には標柱が。ここは林道ではなく「町道深山栃窪黒鴨線」であるようだ!

 ここは林道でなく、町道の「深山栃窪黒鴨線」であった。「深山」(みやま)は先ほどの入口の集落であり、「栃窪」(とちくぼ)はこの先にある集落(現在は廃集落?)である。しかし、「黒鴨」(くろがも)は栃窪の奥にある地区ではなく、深山のすぐ隣(深山から西の山側にのぼったところ)の地区である。「これはどういうことだ?」と思って路線名でググったところ、白鷹町公式サイトの道路通行規制のページがヒットし、そこにはご丁寧に地図がついていた。それをキャプチャしたものがこれだ。

交通情報/白鷹町(http://www.town.shirataka.lg.jp/2284.html)の本文中のリンクから飛んだ先の「通行規制位置図R3.3.5.pdf」(http://www.town.shirataka.lg.jp/secure/6109/%E9%80%9A%E8%A1%8C%E8%A6%8F%E5%88%B6%E4%BD%8D%E7%BD%AE%E5%9B%B3R3.3.5.pdf)より抜粋。なお、赤く示されているのは通行規制区間であり、当該路線の全区間ではない。

 なんと、この先、深山から栃窪に向かって入っていき(これまでたどってきた道)、栃窪の集落に入る手前で左に折れ、その先でまた南下して黒鴨に戻ってくるという道が町道に認定されていた。(現地ではそんなことを知る由もなく、勝手に「黒鴨深山栃窪線」または「栃窪深山黒鴨線」と勘違いしていた。)こういう有益な情報をあたえてくれた工事標柱(正式には何というのか知らない)に感謝だ。

 さて、もう少し進むと、大きな分岐が現れる。直進が林道暖日山線方面、左折が先ほど出てきた町道深山栃窪黒鴨線のルートである。私はこれまで直進しかしたことがないし、今回も直進した。

分岐。直進(右奥方面)が林道暖日山線・栃窪集落方面。左折は町道深山栃窪黒鴨線の続きである。

 ここから先は、また町道(先ほどまでとは別の町道)なのか、林道なのか、素性のよく分からない道となった。そして道路中央部に草が生えていることが多くなり、路面状況が少し悪くなった。ほどなくして、栃窪集落に着く。

再びの「通り抜け出来ません」の看板と、何やら石碑のようなものが。
ここは「栃窪分校」の跡地であった。かつては学校があるほど人口があったのだ。
現在もちらほらと家のようなものが建っている。
家のようなものは何軒かある。あと、このあたりは電線もあり、集落感がある。
つぶれてしまった家?小屋?もある。

 集落を過ぎると、道の状態がさらに悪くなり、凸凹が増え、中央部の草が増え、左右からの草も増えた。

道に生えている草の量が増えた。
左右に壁のようにそそりたつ草たち。

 そしていよいよ封鎖のようなものが現れて・・・

なんか小さな看板のようなものがあり、高さ20cmくらいの土砂でバリケードのようなものが作られている?
さらに近づく。土砂によるバリケードはさほど高くはなく、車でも勢いをつければ越えられそうだったが、その先が藪っぽかったので、とりあえず車を停めて歩いて先を確認することにした。
看板には「朝日町」とあり、町境を示すものだった。ここがちょうど白鷹町と朝日町の町境だったか! 2段目は葉っぱで1文字目が隠れているが「暖日山線」だろう。
バリケードの先、不穏。さらに先に進む。
あれ、崩落・・・?
道は完全に崩落していて、無残な姿のガードレールと、静かに流れる谷があった。

 そこに道はなかった。2~3年前にここを通った時の記憶はほとんどないが、普通に車で通れたのだから、おそらく橋がかかっていたか、川が暗渠になっていたのだろう。それがこの有様である。

 これを見た私は、「土砂のバリケードを無理に突破しなくて本当によかった・・・」と心臓を高鳴らせていた。藪は車でこいで突破できそうな程度の藪であった。突破しなくて本当によかった。「通り抜け出来ません」「全面通行止」の看板を突破して事故など起こしては、とんだ迷惑野郎になってしまい、世間に顔向けできない。

崖の上、ピンクのロープ(テープ?)が張ってあるところが林道暖日山線の続きである。

 せっかくここまで来たので、この辺から林道暖日山線の東側を並走する県道9号線(最上川左岸の道)へ降りる道がないかと思ったが、ここまでの分岐は先ほどの町道深山栃窪黒鴨線の分岐(それはさらに西の山のほうへと向かう道)しかない。しょうがないので、しぶしぶ深山のスタート地点まで戻ることにした。

 ということで、2~3年ぶりの林道暖日山線チャレンジは、道路崩落により、失敗に終わった。

 朝日町の太郎地区の側から林道暖日山線に入って、朝日町側がどうなっているのか知りたくもあったが、もう夕方なのと、結局通り抜けられないことを知ってしまっているので行く気になれず、結局、そのまま国道348号で山形市に向かい、夜ご飯に回転寿司を食べることにしたのであった。

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