令和2年7月豪雨の爪痕。
2020年7月、いくつかの豪雨災害が立て続けに日本国内で起こり、「令和2年7月豪雨」と総称されることとなった。そのうち、26日~29日の豪雨は、山形県に大きな被害をもたらし、山形県内で多くの道路が土砂崩れなどにより通行止めになった。現在では多くの道路が復旧したが、利用者の少ない道路や被害の大きかった箇所は、いまだ復旧していない。山形県道17号山形白鷹線では、まだ通行止めが続いている(大型車でなければ、町道で迂回可)。
さて、山形県置賜地方に、置賜東部線という林道がある。1.5車線で全線舗装されている広域基幹林道で、南陽市荻と長井市五十川を結ぶ約24kmもの長大路線であるが、起点から終点までの間で、まともな舗装道路への接続は2か所しかない(起点付近の荻地区内の道路除く)。
起点:南陽市荻地区(県道5号に接続)
↓
南陽市杢ノ沢地区(県道3号に接続)
↓
長井市大石地区(長井市道に接続)
↓
終点:長井市五十川地区(旧287号に接続)
よって、この林道は大きく3つの区間に分けられるわけだが、このうち、杢ノ沢・大石区間と、大石・五十川区間は、令和2年7月豪雨以降、バリケードが置かれ、通行止めが続いているようだった。
ところが、先日、長井市道を通って長井市大石地区へ行ってみたところ、大石から杢ノ沢へ行く道にバリケードがなかった。そこで、特に用もなかったのだが、杢ノ沢へ向けて進んでみることにした。
そこで目の当たりにしたのは、令和2年7月豪雨の爪痕であった。
まずは、1か所目の路肩崩落箇所。
待避所のようにせり出していた部分の一部が崩落してしまっており、路面にも大きくヒビが入っていた。
続いて、2か所目の路肩崩落箇所。
路面上で見ると大した崩落ではないのだが、カーブの反対側から見ると、道路の下の地面が大きく崩れ落ちてしまっていることが分かる。
その他、土砂崩れで狭くなる道。
その日の私には杢ノ沢に用はなく、日も暮れかかっていたので途中で引き返して帰ってきたのだが、車で乗ったとたん、道が崩れてしまうのではないかと不安でいっぱいだった。帰り際に、大石の林道入口のところに「バリケード」を見つけた。道が復旧されてバリケードがなくなっていたのではなく、誰かが通行止めのバリケードを開けて横に置いていただけだったのである。
ということで、豪雨災害以来、道は復旧されておらず、危険なままであった。道が復旧されるまでは、くれぐれも間違えて通行してしまうことのないよう、開いているバリケードにも気をつけてほしい。